
そんな疑問にお答えします。
NFTゲームとは、ブロックチェーン上で作られたゲームのことです。
従来のゲームと異なり、ゲーム内でゲットしたキャラクターやアイテムを他のユーザに売ることができたり、ユーザ間でルールを決めることができるゲームとなっています。
そこで今回は、NFTゲームの特徴や注意点についてご紹介します。
NFTゲームとは

NFTゲームとは、ブロックチェーン上で作られたゲームのことを言います。
なので、「ブロックチェーンゲーム」とも呼ばれています。
ブロックチェーン上で作られていますが、従来のゲーム同様、アカウントを作成してブラウザ上やスマホアプリで操作できます。

聞き慣れない単語が出てきたので、それぞれの用語について説明します。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、暗号資産を支える基盤技術として誕生したもので、簡単にいうと、「管理者がいない台帳」のことを言います。
これまでのネットワークは中央集権型で特定の管理者がいましたが、ブロックチェーンでは特定の管理者がおらず、不特定多数のマイナーと呼ばれる人が相互に管理する分散型となります。
このマイナー達が取引作業をおこない、日々の取引が台帳に記録されることから、別名「分散型台帳」と呼ばれています。
ブロックチェーン(分散型台帳)には、3つの特徴があります。
- ブロックチェーンの特徴
- ・コピーできない
・改ざんできない
・価値を移転できる
台帳に記録された過去の記録は、削除・改変できないため、これらの技術がゲームの世界で活用されています。
NFTとは
次に、NFTとは「Non Fungible Token(=非代替性トークン)」の略で、等価交換(価値が違う)できないモノのことを指します。
デジタルアート作品やPC・スマホゲームのアイテムなどに用いられ、オンライン上で取引されるデータ所有者を証明する権利証として利用されています。
NFTはブロックチェーン技術が用いられており、「コピーできない」特徴を活かし、複製不可能なデジタルデータとして価値を生みます。
では、「代替性」とNFTの特徴である「非代替」の違いを解説します。
代替性とは
代替性とは、「交換可能=価値が同じ」という意味があります。
例
「Aさんが持っている1万円札」と「Bさんが持っている1万円札」の価値は全く同じです。仮にAさんとBさんの1万円札を交換したとしても支障が出ることはありません。
非代替性とは
一方、NFTは非代替で、「交換できない=価値が違う」という意味があります。
例
「市販のユニフォーム」と「プロスポーツ選手のサインが入ったユニフォーム」では価値が異なります。ユニフォームにサインが入ることで”1点モノ”として、大きく価値を生むことになります。
このようにNFTは”1点モノ”として、これまで無価値であった「デジタルデータ」から「デジタル資産」として価値を生みます。
これらゲーム内のキャラクターやアイテムをNFT化し、ブロックチェーン上で作られたものを「NFTゲーム」といいます。
NFTゲームの特徴

続いて、NFTゲームの特徴です。
- NFTゲームの特徴
- ・ゲーム内のキャラクターやアイテムが資産となる
・ゲーム内のキャラクターやアイテムを自由に売買できる
・オリジナルキャラクターが作成できる
・サービスが終了しても、価値は残り続ける
・ゲームのルールはユーザが決められる
【特徴①】ゲーム内のキャラクターやアイテムが資産となる
NFT化されたゲーム内のキャラクターやアイテムは「資産」となります。
NFT化されたキャラクターやアイテムは、「世界に〇〇個しかない」という風に発行数や(現在の)所有者、取引履歴がブロックチェーン上に記録されます。
ブロックチェーン技術を利用することで複製が不可能になるので、NFT化されたアイテムは「デジタル資産」として価値を生みます。
発行数も自由に決められるので、発行数が少なければ少ないほど希少性の高いアイテムとして価値が高まります。
【特徴②】ゲーム内のキャラクターやアイテムを自由に売買できる
ゲーム内のNFT化されたキャラクターやアイテムを自由に売買することができます。
ブロックチェーン技術の「価値を移転できる」特徴を利用し、ゲーム内で手に入れたキャラクターやアイテムを誰でも簡単に売却することができます。
実際、「クリプトキティーズ」というたまごっちのような猫を育成するゲームで、1匹の猫のキャラクターが約1,200万円で取引され、話題を集めました。
従来のゲームでは2次流通が禁止されているので、お目当てのアイテムを手に入れるには課金し続けるしかありませんでした。
しかし、NFTゲームではNFT化されたアイテムは2次流通が可能なので、アイテムを保有するユーザから買い取って手に入れることができるようになります。
【特徴③】オリジナルキャラクターが作成できる
NFTゲームでは、自分オリジナルキャラクター・アイテムが作成可能です。
「クリプトスペルズ」というカードゲームでは、自分オリジナルのカードが作成可能です。

攻撃力や体力などの「パラメーター」や「カード名」、「イラスト」の設定ができ、実際使用することもできます。
また、売買も可能なので、「他のユーザがあなたが作ったカードで遊ぶ」なんてこともできちゃいます。
【特徴④】サービスが終了しても、価値は残り続ける
NFT化されたキャラクターやアイテムは、仮にサービスが終了しても価値は残り続けます。
従来のゲームではサービスが終了すれば、所有していたキャラクターやアイテムがすべて消えてなくなります。
しかし、NFT化されたキャラクターやアイテムはブロックチェーン上に記録されているので、消えることなく「資産」として残り続けます。
購入したのにムダにならない点が、従来のゲームとの大きな違いです。
【特徴⑤】ゲームのルールはユーザが決められる
NFTゲームの中には「ガバナンス投票」と呼ばれる、ユーザーの投票により今後のゲーム運営方針が決まるシステムがあります。
従来のゲームは、運営が決めたルールに従って、プレイするしかありませんでした。
しかし、NFTゲームではキャラクターの性能やアイテムの効果などユーザが納得するよう、投票でルールが決定します。
「クリプトスペルズ」を例にとると、カードの能力や報酬の内容などが「ガバナンス投票」によって決まります。
NFTゲームは運営とユーザが手を取り合って、より良いモノを作り上げていくゲームとなっています。
NFTゲームの稼ぎ方

続いて、NFTゲームでの稼ぎ方についてです。
大きく3つの稼ぎ方があります。
- ブロックチェーンの特徴
- ・ゲーム内アイテムを入手して、他のプレイヤーに売却する
・バトルに勝利して仮想通貨を手に入れる
・NFTを貸出し、プレイで得た利益を受け取る
【稼ぎ方①】ゲーム内アイテムを入手して、他のプレイヤーに売却する
1つ目は、ゲーム内アイテムやキャラクターを入手して、他のプレイヤーに売却する方法です。
NFT化されたアイテムやキャラクターは「唯一無二」の特徴を持っています。
同じキャラクターでも、ポケモンのように「個体値」や「努力値」が異なることで、能力が大きく変わってくることもあります。
また、発行数を自由に決められるので、運営が「世界に10枚しかカードを発行しない」と決めれば、当然価値は上がり、欲しいユーザ数は多くなります。
例1 SGEM

ここで、「SGEM」を例に見ていきます。
SGEMとは「RPG(ロールプレイングゲーム)」と「カード」と「SLG(シミュレーションゲーム)」が組み合わさったゲームです。
SGEMではゲームをプレイするのに、「Babo」と呼ばれるモンスターを3匹購入する必要があります。
逆に言えば、「初期投資をしないとゲームすらできない」というゲームとなっています。
なので、新規ユーザが増えれば増えるほど「Babo」を求める人が多くなり、結果稼ぐことができます。
例2 エグリプト

エグリプトとはモンスターを集め、最強のパーティーを作っていくゲームです。
エグリプトでは「レアモン」と呼ばれるNFT化されたモンスターがバトルを通じて入手できます。
これらレアモンは発行数が決まっており、また、出現率は低いため、入手難易度がとても高いモンスターとなります。
ガチャでは手に入らないため、希少性の高いモンスターとして、欲しいユーザは多く、売却することで稼ぐことができます。
【稼ぎ方②】バトルに勝利して仮想通貨を手に入れる
2つ目はバトルやミッション報酬として仮想通貨を手に入れる方法です。
他のユーザとのバトルや通常ミッションをクリアすると報酬として、ゲーム内トークン(仮想通貨)が貰えます。
実際に稼ぐには、初期投資が必要ですが、それでも毎日遊ぶだけでお金が稼げるとなると、「ゲームは楽しむもの。お金を稼ぐものではない」という常識が変わってきそうですね。
【稼ぎ方③】NFTを貸出し、プレイで得た利益を受け取る
3つ目は自分が所有しているNFTを他のユーザに貸出し、そのユーザがプレイで得た利益の一部を受け取るものです。
これを「スカラーシップ」といい、実際にこの制度が搭載されているゲームはあります。
先程紹介した「SGEM」では、スカラーシップを導入しており、本来Baboを3匹購入する必要がありますが、新規ユーザはBaboを借りることで無料でプレイできるようになりました。
この制度を利用すれば、自分はプレイしていなくても貸出したユーザが代わりに稼いできてくれる便利なシステムです。
NFTゲームの注意点・リスク

続いて、NFTゲームを始める際の注意点・リスクについてです。
- NFTゲームの注意点・リスク
- ・初期費用がかかる
・稼げる保証がない
・仮想通貨の価格変動により損をするケースもある
・運営がお金だけ貰って消える場合もある
【注意点①】初期費用がかかる
ゲームの中には初期投資をしないと、そもそもプレイすらできない作品も多くあります。
金額は作品によって異なりますが、安い作品で1万〜5万、高い作品で20万近くかかります。
多く投資をしたからといって稼げるとは限らないので、すでにプレイされている方の情報を取り入れ、始めることをおすすめします。
【注意点②】稼げる保証がない
ここまで話を聞いてきて、「NFTゲーム=稼げる」という印象を持ったと思いますが、必ずしも稼げる保証はありません。
というのも、NFTゲーム業界は発展途上の最中で、プレイ人口は多くありません。
参考までにNFTゲームと有名スマホアプリのツイッターフォロワー数の比較です。
- NFTゲーム(国内アカウント)
- ・クリプトスペルズ(3.3万人)
・SGEM(0.4万人)
・エグリプト(0.6万人) - 有名スマホアプリ(国内アカウント)
- ・モンスターストライク(326万人)
・パズル&ドラゴンズ(284万人)
・Fate/Grand Order(191万人)
稼ぐには、そのキャラクターやアイテムが欲しいユーザがいてこそです。
プレイ人口が少ないのもあり、取引自体も多くはないので、少額は稼げても大金を稼ぐには時間がかかりそうです。
【注意点③】仮想通貨の価格変動により損をするケースもある
NFTは、 主にイーサリアム(仮想通貨)を用いて取引されます。
仮想通貨は日々、価格が変動しているので、購入するタイミングによっては損をするケースもあります。
特に、仮想通貨はボラティリティ(価格変動)が高い特徴があるため、チャンスもありますが、リスクもあることを理解しておきましょう。
【注意点④】運営がお金だけ貰って消える場合もある
NFTゲームはつい最近始まった業界ということで、さまざまな会社が参入し、ゲームをリリースしています。
大抵はβ版(テスト版)をリリースし、その後ユーザからの声をもとに改善し、正式版をリリースします。
先程も伝えた通り初期投資が必要なゲームも多く、β版も同様にプレイするのに初期投資が必要な場合もあります。
その初期投資を得るシステムを利用して、運営の中にはユーザから受け取ったお金を奪って姿を消すケースがあり、この場合はゲームに投資したお金は返ってきません。
なので、β版(正式版含め)をプレイする際は、その運営会社がちゃんとしているか情報収集をしっかり行い、プレイすることをおすすめします。
まとめ
今回は、NFTゲームについてご紹介しました。
NFTゲームとは、ブロックチェーン上で作られたゲームのことで、キャラクターやアイテムの2次流通が可能なゲームです。
まだまだプレイ人口は少ないですが、今後盛り上がりを見せてくれることを注目してみたいと思います。
本日は以上です。